「特集 つながる、つがる」夏の終わり・収穫を控えたつがる市を巡るルポルタージュ

ぼくたちは、津軽人だ。

ぼくたちは、津軽人だ。

と、旅する男は思うのだ。とりあえず遠縁も由縁もないし、初めて訪れた町であるには違いないが、このなつかしさは何だろう。広い空とどこまでも広がる田園風景、変わらぬ約束のようにつねにそこにある岩木山と岩木川、お年寄りたちの玉を転がすような津軽弁、どの家の軒先にも鮮やかなノーゼンカズラが咲き、ふとした道端には小さな社がひっそりと立っている。

どこかで見たことがあるんだがなぁ。それは、長い間どこかにしまっておいた風景とぴたりと重なる。何百年も大地にしっかりと根を生やした人々の営みの、あれもこれもなつかしい。ぼくたちは、つがる市を歩いて津軽に触れたはるか以前から津軽人であったに違いない、そう思うのだ。
ぼくたちは、津軽人だ。 ノウゼンカズラ。花を愛でる人が多いのだろうか。 ぼくたちは、津軽人だ。 社の脇に組まれた櫓に虫送りの「虫」が置かれている。市内を走ると思わぬところでこの「虫」に出くわす。
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